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薬草花タンスン(党参)とは——年に二週間だけ咲く天山の花
はちみつの個性は、蜜源——つまり「どの花から採れたか」で決まります。アカシア、レンゲ、クローバー。日本でおなじみの蜜源の名前に、「タンスン」が並ぶことはまずありません。森羅万象 天山蜂蜜の蜜源であるこの花は、日本ではほとんど知られていない、天山の草原にひっそりと咲く薬草花です。
党参(タンスン)という薬草
タンスンは漢字で「党参」と書きます。キキョウ科のつる性植物で、その根は古くから生薬として知られ、中国では不老長寿の薬草として重宝されてきた歴史をもちます。
私たちの蜜の蜜源となるのは、この党参が夏に咲かせる釣鐘状の花。栽培されたものではなく、天山山脈の草原に自生する野生の党参です。農業とは無縁の土地で、人の手を借りずに芽吹き、花を開きます。
開花は、年にわずか二週間
党参の開花期間は、年間でわずか二週間ほどしかありません。ミツバチたちがタンスンの花蜜を集められるのは、一年のうちこの短い季節だけ。だから森羅万象 天山蜂蜜は、つくろうと思って増やせない、正真正銘の数量限定のはちみつです。
短い開花に間に合わせて巣箱を運び、ミツバチが蜜を集め、巣に蜜蝋の蓋をするまで待って採蜜する——一年分の仕事が、この数週間に凝縮されています。希少性の背景は「数量限定・年2週間の採蜜」でも詳しくご紹介しています。
標高2,800m——タンスンが咲く土地
タンスンが自生するのは、天山山脈の標高2,800mに広がる草原地帯です。天山山脈は、ゴビ砂漠とタクラマカン砂漠のあいだに横たわる山岳のオアシス。現地のウイグル語では「テンリ・タグ=天の山」と呼ばれ、漢名の「天山」はこれに由来します。2013年には、この山系の保護区がUNESCOの世界自然遺産に登録されました。
朝には燦々と太陽が降りそそぎ、夜には月の光が降り立つ大地。高い山々の雪解け水が、幾重にも重なる地層を巡って湧き出す場所。カザフ族やキルギス族、モンゴル族などの遊牧民が古くからの暮らしを続け、毎朝の食卓には壺に入ったはちみつが並びます。
日本からこの草原へたどり着くには、北京を経由して新疆ウイグル自治区のウルムチへ飛び、小型機に乗り継ぎ、さらにオフロード車で草原を走って——およそ3日を要します。この旅路は「天山蜂蜜の物語」で地図とともにご覧いただけます。
タンスンの蜜は、どんな味か
タンスンから採れた完熟蜜は、濃厚でありながら後味がすっきりとした、上品な甘さが特徴です。お客様からは「甘ったるく口に残らない」「生キャラメルが溶けたよう」といった声をいただいています(お客様の声)。
年に二週間だけの花と、それを待つミツバチと人。この蜜がもつ静かな豊かさは、天山の自然がそのまま瓶に入ったものだと、私たちは考えています。